オイラ的充実読書ログ。

人生を充実させるために、本を読みます。

筒井康隆

筒井康隆の小説感想7冊目 『アフリカの爆弾』

『台所にいたスパイ』(1966) 町内みんなスパイで殺し合いする話。 スパイ同士で殺し合うのは「平和のためだ」と、主人公は答えるが、このセリフに本意の何パーセントが入ってるんだろうか。 「平和の使徒スパイ万歳」 『脱出』 テレビドラマの世界と現…

筒井康隆の小説感想その32 『馬の首風雲録』

『馬の首風雲録』(1965年) 遠い星の惑星間戦争の様子を、戦争ばあさんと4人の兄弟の視点で描く。 戦争の悲惨さと、カッコよさがにじり寄ってくる。 それがまた、滑稽にコミカルに描かれていて読んでいて軽く浮遊感すらある。 そして、読了後、何とい…

筒井康隆の小説感想その31 『三丁目が戦争です』

『三丁目が戦争です』(1971年) 子どものケンカが発端で団地と住宅地が戦争を始める話。 団地の近くに公園を牛耳っている女の子、月ちゃんが近所の子に恐れられている。 おかしい、と思ったシンスケくんは、月ちゃんに闘いを挑む。 しかし、返り討ちに…

筒井康隆の小説感想その29 『ちきゅうはおおさわぎ』

『ちきゅうはおおさわぎ』 宇宙からやってきた石に命を吹き込まれた地球の全ての鉱物が動き回ってしまうという話。 ちきゅうはおおさわぎしているが子ども用のおおさわぎなので、オイラはの心は空騒ぎしない。 落ち着いたもんである。逆にていねいな言葉を使…

筒井康隆の小説感想その28 『うちゅうをどんどんどこまでも』

『うちゅうをどんどんどこまでも』 子どもが宇宙船にのり、なすがままにユートピアを発見する話。 オートメーション冒険。 子どもたち二人が、古い宇宙船にのって、ボタンを押す。そうするとたちまち、その宇宙船は宇宙に飛び出すのだが、操作方法がわからな…

筒井康隆の小説感想その27 『かいじゅうゴミイのしゅうげき』

『かいじゅうゴミイのしゅうげき』 ほうしゃせいぶっしつのために産まれたかいぶつゴミイがゴミのあるところへ行き、暴れ回る。 小学校低学年向け作品。 筒井節として、放射性物質が間違えて持ってこられて怪物を産んだところ、大人が自分が助かることを考え…

筒井康隆の小説感想その26 『ベトナム観光公社』

『ベトナム観光公社』(1967年) 新婚旅行に行こうと思ったら、流れ流れて意外とベトナムの観光用戦争が良かったからそのままいたいな、なんてな話。 今年の旅行のブームは土星だそうだ。 しかし主人公は、ブームには乗らず、婚約者と違う星へ旅行へ行こ…

筒井康隆の小説感想その24 『血と肉の愛情』

『血と肉の愛情』(1965年) 愛するほど食べたくなる奴らの心理描写付きの食べあい。 感想 カニバリズムの世界。加えて相手の心が読めて、激しい感情、例えば心の苦悩や愛する気持ちなどが自分の意識に入ってくると、たまらなく食欲が激しくなる。 これ…

筒井康隆の小説感想その23 『カメロイド文部省』

小説が楽しめない星の人間と女の強かさを見せつけられる話。 あらすじ 小説のない文明の星に、小説を書いてくれと誘われて主人公とその妻はその星に招待された。 食事の席で実際小説のアイデアを聞かせても、フィクションということが通じず、ことごとく却下…

筒井康隆の小説感想その22 『時越半四郎』

『時越半四郎』(1966年) 変わり者の武士半四郎の未来的視点にみる、価値観の違いの話。 あらすじ 武士の子に生まれた半四郎は、一風変わった若者だった。 彼には姿かたちが周りと違っていて、冴えた知性が持っていた。 ある日、同輩の岡村喜七郎から恥…

筒井康隆の小説感想その20 『最高級有機物肥料』

『最高級有機物肥料』(1966年) 人間の排せつ物を最高級の食べ物とする植物人間が、それがどれだけ美味しいかを語りかけてくる話。 あらすじ 主人公は外交官。総裁に言われ、ある星の外交に回されそうになる。 しかし、その星は何人も大使がやめて帰っ…

筒井康隆の小説感想その19 『トラブル』

『トラブル』(1965年) 身体を乗っ取った宇宙生命体同士がその身体のバラし合いをする話。 筒井康隆のグロを久しぶりに見たけど、言葉の軽い調子と残虐な状態が相まって、想像に蓋をしたくなるね。 ただただ身体をもぎ合う、仲の悪い宇宙人同士の喧嘩。…

筒井康隆の小説感想その18 『火星のツァラトゥストラ』

『火星のツァラトゥストラ』(1966年) 2250年の火星で『ツァラトゥストラ』にさせられた人間が、栄光と没落を味わう話。 火星の大学教授が、地球の大学送られてきた古文書の山からツァラトゥストラの断片を発見した。 これを『ツァラトゥストラ』の自伝…

筒井康隆の小説感想その30 『あかちゃんかいぶつベビラ!』

『あかちゃんかいぶつベビラ!』 あかちゃんが注射によって巨大化して街を破壊する話。 まともなドタバタ。子ども用である。 しかしただ一つ。 筒井康隆はどうしても国会議事堂を出したいみたいだ。あかちゃんのでかい声で議員が耳聞こえなくなる描写があっ…

筒井康隆の小説感想その17 『果てしなき多元宇宙』(時をかける少女)

『果てしなき多元宇宙』(1965年) 少女の想像が、他の宇宙の影響でかなえられて「しまう」話。 少女暢子は、級友の史郎の情けなさや自分の理想の顔のことで、なんとはなしに願望があった。 一方、別の宇宙の発明家ノブ(違う宇宙の暢子)は工場での大爆…

筒井康隆の小説感想その16 『悪夢の真相』

『悪夢の真相』(1965年) 恐怖にとりつかれた少女が心理的な面から、その原因を探す。 いつのころからか、少女は般若のお面が怖くなった。 その原因を探っているうちに、少女は友達の文一と昔住んでいた村に行くことにする。 少女の弟が持つ恐怖の原因…

筒井康隆の小説感想その15 『時をかける少女』

『時をかける少女』(1965年) 少女に降りかかるジェットコースターのような、青春の話。 理科室で嗅いだ臭いのせいで、時間を遡ってしまった和子。 過去に戻ったというこの話を誰か信じてくれるのか。不安や戸惑いの中、なんとかしようとおそるおそる友…

筒井康隆の小説感想その14 『48億の妄想』

『48億の妄想』 (1965年) みな自己顕示欲の塊となっている世の中で、それを虚構の世界だと感づいたTVディレクター折口の心の葛藤を描く。 「もし、人類がみなTVに映りたがったら」という仮定で、それを強調するように描かれている。 この物語では、…

筒井康隆の小説感想その13 『堕地獄仏法』(東海道戦争)

『堕地獄仏法』(1965年) 宗教政党が与党になって、なかば暴走的に国を支配していっている世界の話。 最初の方はとりとめもなく話が進んでいくが、その間に言論弾圧、宗教の信者として活動すれば、いいことがあったと喧伝する女が出てきたり、宗教政党…

筒井康隆の小説感想その12 『廃墟』(東海道戦争)

『廃墟』(1961年) 滅亡迫る世界で、生き残った4人が枯渇の中から生き方を探す。 核でも落ちたかのような破壊された世界。チルたちはその世界で生きていた。 あるとき、疑問に思った。虫は増えるのに、なぜ自分たちは増えないのか。 誰もわからなかっ…

筒井康隆の小説感想その11 『座敷ぼっこ』(東海道戦争)

『座敷ぼっこ』(196年) 老教師が座敷ぼっこの存在を通じて、ノスタルジーな気持ちを起こす話。 クラスの情景から、帰り道の公園で座敷ぼっこと話すところも、何ということもない。 座敷ぼっこに自身がそうだと発表されたあとも、老教師は終始穏やか。 …

筒井康隆の小説感想その10 『やぶれかぶれのオロ氏』(東海道戦争)

『やぶれかぶれのオロ氏』(1964年) ある星の大統領がロボット記者の忖度のなさにブチ切れながら会見する話。 のらりくらりとしがちな総裁の答弁に論理破綻を負えなくなったロボットが次々に爆発して、最後にはオロ氏も死んでしまう。 通常記者たちが持…

筒井康隆の小説感想その9 『お紺昇天』(東海道戦争)

『お紺昇天』(1964年) 女性のような感情を持つ車と、それに情をそそぐ男との切ないやりとり。 規則により、スクラップにされることになった会話のできる車『お紺』に、主人公ターターはどうにか思いとどまってくれるように迫る。 しかし、お紺は車であ…

筒井康隆の小説感想その8 『うるさがた』(東海道戦争)

こうるさいロボットが、逐一絡んできて発狂しそうになる主人公を描いた話。 ロボットゆえに、人間が持つ「これを言われたらいやだろうな」と相手を思いやる気持ちがわからないのがポイント。 宇宙のどこかの基地で主人公とロボットが一緒にいる中、どんな状…

筒井康隆の小説感想その7 『チューリップ・チューリップ』(東海道戦争)

『チューリップ・チューリップ』(1965年) タイムマシーンを使うとなぜか増えていく、『他の自分』との対峙。 過去へ戻って世を征服をしてやる、と自我の強い主人公がとするのだが、いくらやってもうまくいかない。それどころか、タイムマシーンの誤作…

筒井康隆の小説感想その6 『群猫(東海道戦争)』

群猫(1964年) 地下に住み着いた盲目の猫の群れが、因縁の相手、怪物・バクーを倒しに行く。 狭く暗い空間の中、猫たちは視力を失う代わりに、意識を読み取る超能力を得た。 同じくその空間を生きる、捕食者の鰐、バクー。彼にも意識が読める。 猫たち…

筒井康隆の小説感想その5 『ブルドッグ(東海道戦争)』

ブルドッグ(1963年) 犬の心が読める男が、言いなりになってやりこめられる話。 飼い犬のブルドッグからの要求にこたえていくうちに、犬側から嫁さんが欲しいと言われる。 連れてった先には、美しい雌犬がいるのだが、手痛く断られて—— さすが擬人化の…

筒井康隆の小説感想その4 『トーチカ(東海道戦争)』

未来の若者が流行り言葉として、漢字に当て字をあてて会話をする話。 舞台は火星。遊戦なるもので若者たちは戦争のようなことをしている中、未来感覚のセリフがオンパレードする。 オイラの感覚的に面白いと思った当て字。 『自殺』と書いて『テメエマーダ』…

筒井康隆の小説感想その3 『しゃっくり(東海道戦争)』

しゃっくり(1965年) タイムリープもの。全世界の人たちが、何十回も同じ時間を繰り返す。 その中で、主人公の心の動きはどうなっていくのか。 スピード違反で警官につかまった主人公が解放されて先を急いでいると、異変が起こった。 ふたたび、さっき…

筒井康隆の小説感想2 『いじめないで(東海道戦争)』

『いじめないで』1964年発表 もともと持っていたのか、戦争でただ一人生き残ったやるせなさや不安が嵩じて男のサディスティックな面が露見して、物理的弱者のコンピュータを苛め抜くという筒井らしさが大きく出ている作品。 面白いと思った表現。 そうだ、鉱…