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筒井康隆の小説感想その20 『最高級有機物肥料』

『最高級有機物肥料』(1966年)

 

人間の排せつ物を最高級の食べ物とする植物人間が、それがどれだけ美味しいかを語りかけてくる話。

 

あらすじ

 

主人公は外交官。総裁に言われ、ある星の外交に回されそうになる。

しかし、その星は何人も大使がやめて帰ってきていて、病院送りになっている。

主人公も乗り気ではなく、総裁の話を聞いて様子を窺っていたが、娘との結婚をエサにされ、しぶしぶ行くことになったのだ。

さあ、そのミトラヴァルナという星、全体的に古びている感じがする。

迎えに来てくれた星の要人たちは主人公を手厚く歓迎する。

食事に呼ばれ、食べる食事もおいしい。何でも地球に長期留学に言っていたコックが作っているという話。

少し気になったのが、この星の植物人間たちが食べているものがおおよそ地球人の感覚ではわからないものだったし、それを食べた感想などを言い合う文化だということだ。

その感想を上手く言えるかどうかで教養がわかるらしい。

帰りがけ、首相がこのコックを召し抱えてはどうか、と提案をされる。

主人公は、地球食も作れて、その他の家事もなんでもできるそのコックをよろこんで受け入れることにする。

そして、次の日。

また、首相が来た。

なんの用事かというと、食事の感想を言いにきたというのだ。

なんと、この星では人間の排せつ物が最高級のごちそうだったのである。

朝昼夜の排せつ物を首相、その他大臣に緻密細密事細かに感想を言われて、主人公の心は灰になってしまった。

 

感想

 

あるところでは不要なものも、あるところでは必要を汚く描いた話。

汚いってなんだろう。

  

それにしても書いてあることを想像すると気持ち悪いのだが、我々が食べているものに置き換えると素晴らしい食レポ

勉強になった。今度職場で真似してみよう、と思わせる文章。

あくまでも、置き替えて、だね。

以下、その排せつ物の感想の一部。

 

 

おお、お聞きください大使!まず最初、皿に盛られたあの黄褐色のぼってりした小憎らしげな様子を私はこの目でたっぷり楽しみました。(中略)グイッ、グイッ、と食道へずり落ちて行く時の一種の息苦しさを伴った快感には、私は思わずひきつけを起しそうになりました。また、口に大便を含んでおいてから小便をすすりこみ、口の中でグチュグチュと混ぜあわせ嚥下したときのすばらしさ!その時の芳香の強烈さといったら!いやもう、私はわれを忘れました。鼻と目にツーン とくるアンモニア性の刺激!

あの味を私は、恐らく生涯忘れることはありますまい。ああ、もちろんこれは、あなたの昨日の朝の便です、あなたは夕刻にも排泄なさいました。そしてそれは・・・・・・

 

 

筒井康隆『最高級有機質肥料』より