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筒井康隆の小説感想その21 『マグロマル』

『マグロマル』(1966年)

 

 

各星の大使が集まって会議をするが、それぞれの性質がバラバラで、なんらまとまらない、という話。

 

あらすじ

 

通訳の男にある会議に行くよう指示が入る。

そこは、それぞれの星の人間の重力に合わせて38の通路があり、そこを通訳の男は行く。

会議室に行くと、すでに会議は始まっていた。

サユルケオンというものがどうだとかいう話だ。

ここで、星からの大使はそれぞれの星のやり方でそれぞれの発言をし、それぞれのリアクションを取る。

ある大使は自分の自慢を始めたり、ある大使は、急に立ち上がって「差別された」といい、ある大使は、音楽が好きなのかムードという言葉を聞いて足で拍手したり。

20分に一度飯を食わないと餓死するというガドガド族の大使は、文章の合間合間に「メシクテクル」と言って退出する。

そんな星間連盟の会議は、まとまることなく長期間続いていて、組織として機能していなかった。

思えば、地球の歴史を振り返っても、理解しあえていないのに、まして人種の違いどころではなく異種生命体同士がわかりあえるはずがないではないか。

全然目的の「マグロマル」の話題が出てこないと思ったら、会議室を間違えていた。

その会議室に行ってみると、時間を間違えていたみたいだ。

地球時間で確認をしてみると、三万三千日。九十年である。

連絡をした星の人間は、この時間を短いものとしていたようだ。

よっぽど大事な会議だったんだろうか。

それぞれの星のものや価値観、感覚を全く知らないことから出た、最後のセリフは

 

 

 

「マグロマルって何だろうね」

 

筒井康隆『マグロマル』

 

 

 

 

感想

 

ドタバタが効いていて、風刺も効いていて。

価値観の違いというのは、世界レベルでも個人レベルでも起きている。これは人間である以上仕方ない。それぞれ、自分がいいように生きているのだ。

そして、この話ではそれを諦めるように話が持っていかれているが、現実の世界は少しでも前進しているような気がする。教育がもっと進めば、自分の欲望と世界平和のバランスが今より取れる人が増えるはず。最初に出てきた「38本の道と見えない壁」という物理的な問題を精神的な問題で解決する日を期待したい。

できれば、新しく発見されたアロマを嗅ぐことで達成できるような簡単な方法で。