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筒井康隆の小説感想その23 『カメロイド文部省』

小説が楽しめない星の人間と女の強かさを見せつけられる話。

 

あらすじ

 

小説のない文明の星に、小説を書いてくれと誘われて主人公とその妻はその星に招待された。

食事の席で実際小説のアイデアを聞かせても、フィクションということが通じず、ことごとく却下されてしまう。

主人公は怒って元いた星に帰ろうとするのだが、阻止しようと追っ手がくるが、主人公とその妻の機転でそれを躱し、宇宙船に乗ろうとした瞬間、主人公は妻に突き飛ばされ、一人で帰られてしまう。

 

感想

 

カメロイド星人、主人公の妻と、どちらもコミカルに描かれている。

カメロイド星人は基本的に演技的で、そのシーンに合ったことをするくせに、フィクションを許さない。

妻は妻で、強欲で自分に得することしか興味がなく、要らないものは排除するような性格。

主人公の小説に無茶苦茶に書かれるのをおそれたのか、それとも、単に一緒にいたも得じゃないと思ったからか、主人公を置いていくドライさ。

極端に描かれていたので、わかりやすい。

妻が裸になって追ってのカメロイド星人が驚いて倒れるリアクションを取っていたので、最後に主人公は裸になるのだが、これは破れかぶれなのか。

 

 面白かった表現。

 

 

やがて 隊長が、あまりのグロテスクさに気が遠くなってきたといった様子でうおうおと唸り、ゆっくりと倒れた。それを見て他の連中も、苦笑したり首を傾げたりしながら、ゆっくりとその場に寝そべった。

 

筒井康隆『カメロイド文部省』

 

 主人公が最後に素っ裸になったときに取ったリアクション。

本当に思ったことより道徳的にどういう行動が正しいか、というのがこの星の人間の性質。寝そべった、というのがそれを象徴している。

あれ、これ、右に倣えの日本人的思考ってこと?

他のちょっとした倫理的な問題はNGなくせに。

ここだけ和の力か?