オイラ的充実読書ログ。

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筒井康隆の小説感想その31 『三丁目が戦争です』

『三丁目が戦争です』(1971年)

 

子どものケンカが発端で団地と住宅地が戦争を始める話。

 

 団地の近くに公園を牛耳っている女の子、月ちゃんが近所の子に恐れられている。

おかしい、と思ったシンスケくんは、月ちゃんに闘いを挑む。

しかし、返り討ちにあったシンスケくん。

汚れた爪でほっぺたを引っ掻かれ、赤い溝ができてしまった。

それをお母さんに話すと、お母さんは怒り出し、文句を言いに行く。

その怒りはだんだん住宅地に住んでいる人々への嫉妬になり、それが嵩じて戦争になっていく、、、

 

感想

 

いきなり殺し合いまで発展して行くところが、実は子供向けなのかな、と。

途中、人々が争うことへのバカバカしさが示唆されていて、最後にまたそれについて喚起されている。団地の人々は一戸建ての住宅地に嫉妬して、住宅地の人々は団地の人をバカにして。それで憎みあい、その絶頂の戦争という殺し合いにまでいってしまう。

そしてそれは格好いいことだと思う人もいる。

この話の最後のセリフが筒井節が効いていて良い。

 

 

戦争のきらいな人だって、ときには、シンスケくんのように、かっこいいなどとおもうことがあるくらいなんですからね。

みなさんも、すこしぐらいは、そうおもっているんでしょう。

こまるんですよ、そういうのが。

ほんとに、こまるんですよ。

 

筒井康隆『三丁目が戦争ですz』

 

一見子供向けのセリフだが、それを装った大人向けのギャグとしての役割も果たしている。オイラは筒井おじさんというこのお話を朗読しているキャラが話しているのを想像してしまった。

その授業参観に来ている親たちを笑わせようとしている先生のような筒井おじさんは、他にも話の終わり際に、子どもたちを諭して大人たちを笑わせようとしてくれている。

 

さて、オイラたちは子どもに人間の性質の話しが上手くできるのだろうか?

オイラ個人としては、子どもがいるなら早めにそれを伝えてあげたい。

 

あ、いい話だったんだな。