オイラ的充実読書ログ。

人生を充実させるために、本を読みます。

筒井康隆の小説感想15冊目 『異形の白昼』(筒井康隆・編)

『さまよう犬』星新一

男女が夢でつながっていたというロマンティックな話。

女が彷徨う犬の夢を見る。いつも見るもんで、その犬のことがだんだんと好きになってくる。

そのうちそんな夢のことを忘れ結婚し、幸せに生活していたあるとき、なにげなく夫はある夢の話を口にする・・・。

特に怖さは感じなかったが、やはりこれが御大との感性の差か。

 

 

『蜘蛛』遠藤周作

怪談話の会合の帰りのタクシーで薄気味悪い体験をする話。

興味のない怪談の会合に付き合いで出席した主人公が、端の方で陰気に座っていた男とタクシーで乗り合いをする。その男はタクシーの中で怪談を一つ披露するが・・・

気持ち悪さが頭の中にこびりつくような話。

 

 『くだんのはは』小松左京

戦時中、お屋敷での奇妙な話。

少年の自分の立ち位置からくる心の描写が良い。

 

『甘美な牢獄』宇能鴻一郎

少年の不安と願望からくる妄想が現実の悩みになり、最終的に非日常な世界に身を置く男の話。

積極的に頭の中の世界に身を置くことはできる人は多くないよなあ。

 

 

『孤独なカラス』結城昌治

狂気的な悲しい少年の話。家庭環境、遺伝、突然変異、彼のような人間が出来上がるのは仕方ないことだったのか。

 

 

『仕事ください』眉村卓

思いが生んだ奴隷が、どこまでもついてきてうっとおしい話。

意志の力で、どんなことでもできるのかもしれないと、感じる部分があった。

 

 

『母子像』筒井康隆

サルのおもちゃが、家族を異世界に連れ去ってしまう話。

オチの絵を想像すると、何とも言えない、切ない気持ちになる。

さすが、御大。

 

 

『頭の中の昏い唄』生島治郎

校正の仕事をしている男の、ノイローゼが収まらない話。

生きがいになる刺激が、ノイローゼ的。普通だと思っていた知り合いも、意外とわかあらないもんだね。

 

 『長い暗い冬』曽野綾子

日本から離れた外国での、陰鬱としたエピソード。

主張で雪の降る街に来ている父と子。母が間男と心中してしまってからというものの、父も子も変わってしまった。狂っていくのはなにも大人だけではない、ということ。悲しい。

 

 

『老人の予言』笹沢佐保

ある旅館で相部屋になった老人が、深夜、自分のことを語りだす。朝になったらその老人はいなくなっていた、、、

なかなか面白いオチ。狐につままれたような気分だ。

 

 

『闇の儀式』都筑道夫

不思議な屋敷で、ふざけて悪魔を呼び寄せる儀式をしていたら、そのうちそれが本当になってきて、、、

タツムリはたしかに、恐怖のモチーフとなりうるなあ。

 

『追跡者』吉行淳之介

いい女に誘われて。

あっというまの、びっくり箱的話。

心の蔵を、一瞬だけ掴んで離すような話。

 

 

『緋の堕胎』戸川昌子

堕胎専門の医院で起きた、悲惨な事件。

人と人の心の動きが心惹かれる。

女の破壊的盲信は恐ろしいということか。