オイラ的充実読書ログ。

人生を充実させるために、本を読みます。

筒井康隆の小説感想20冊目 『12人のアップルパイ』

 

『初春夢の宝船』遠藤周作

医者たちが憧れの美少女の体内に入って身体を治そうとする話。

筒井康隆によると、これはパロディーであるらしいが、なにぶん時代が違うので元ネタがわからない。

ただ、最後が映画の終わりのようなものの言い方で終わっていた。

 

 

『はだかの部屋』星新一

来る人くる人が結果全員裸になって、押し入れに押し込められる話。

シチュエーションが秀でていて、主人公と登場人物との関係の描き方が絶妙。

オチも艶の暴走がはらんでいて、話の終わりにこんなにワクワクニヤニヤするものなのか、と気持ちの高揚があった。

素晴らしい。

 

『びっくりハウス』田辺聖子

間男を問い詰めたら、なんだかみんな仲良くなった話。 

主人公の妻が、あっけらかんとしていて、不思議。

新しい人の関係性の方向を見た。

 

 

『美しいスオミの夏に』五木寛之

外国でいきまいて権利を主張したら、最終的に劣等感を感じさせられた話。

青年団が外国に行き、自分たちが欧米人でなかったことで入れなかったヌードのパーティを不服として抗議するのだが、いざそれがかなったところ、ただ肉体的劣等感を感じて、「あと先が考えられてないなあ、熱血はいいが抜けてるなあ」、となった。

 

 

『友情』北杜夫

中学生の気の弱い男の子と、ワガママが抑えられない子のやり取りの話。

中学生くらい、よくあるやりとりが頭に浮かんだ。

 

『悩ましき土地』吉行淳之介

よかれと思って、相手の事情を考えず塀を立てたり、人に貸すため家を増築したりする大工と土地の貸主の教師との話。

登場人物全員善人。緩やかな被害に感じる感性。

 

『新婚山行』新田次郎

山登りの新婚旅行中で、初夜をやりたいフラストレーションを抱えながら、旅の途中で二人死んでいく話。

間に入る一人の人物が二人の関係を壊す、その描写がもどかしさを感じさせる。二人に初夜をさせてやれよ。

 

『最後の客』生島治郎

謎の自殺を遂げた父の、その理由を追い求める話。

芸人だった父は、太鼓持ちとして小さくなって生きてきた。

死の際の最後の客は、小さな悪魔だったな。

 

 

地震がいっぱい』豊田有恒

地震が起きて、過去や未来が現れる話。

変容していく地球、週末感を感じられる。

 

『ああ、水中大回転』野坂昭如

世の中の端っこにいるような二人が、八百長をしたとうそぶく話。

大したことなさそうな人間に、八百長をされた競艇場は、その事実を隠そうとしたのか。

犯罪に近いことだろうが、一世一代の大仕事をした彼らは、捕まることで心に勲章を得られたのかもしれないのに。

 

『本邦東西朝縁起覚書』小松左京

南北朝時代天皇が復活して、現代の日本が二つに割れてしまう話。

面白いこと、これを現代の若者が望んでいるなら、実際にこのようなことが起こっても受け入れるだろうなあ。